「ありがとう」を言えなかった日の言い訳とその後

こんにちは、二児の娘を育てるパパブロガーのひろゆきです。

仕事から遅く帰った夜、テーブルの上に伏せられた洗いたての弁当箱を見て、胸の奥に「ありがとう」という言葉が浮かびました。なのに、なぜか口から出てこなかった——。
これは、父である私が「言えなかった一言」と向き合った日の記録と、その後に起きた小さな変化の話です。

この記事のポイント

  • 家族にこそ伝えにくい「ありがとう」を、どう取り戻すか
  • 子どもの前で見せたい“感謝の背中”の作り方
  • 今日からできる、言い訳ゼロのちいさな習慣

目次

些細なことでつまずいた夜

残業が伸び、玄関を開けたのはいつもよりずっと遅い時間。リビングから聞こえる娘たちの笑い声にホッとしつつ、台所で片づけをしている妻が「おかえり」と微笑みました。
その脇に置かれていたのが、朝早く起きて用意してくれた手作り弁当の箱。きれいに洗われ、タオルの上で静かに乾いていました。
「ありがとう」と言えばいいだけなのに、私は心の中で言い訳を並べました。
「今日は疲れている」「照れくさい」「今じゃないかも」。そして結局、何も言わずに通り過ぎてしまったのです。

翌朝に残る“言いそびれ”

翌朝、いつもの賑やかな支度の音。妻は手際よく朝食を並べ、長女と次女は学校の準備にバタバタ。
言えなかった「ありがとう」が胸の奥で重たくなり、朝食の間じゅうタイミングを探したものの、また言いそびれました。
玄関を出て車に乗り込むと、深い溜め息。自分の小ささに少しだけ嫌気がさしました。

小さな言葉ほど難しい理由

職場では「感謝は言葉にしよう」と部下に伝えるのに、家族にはなぜか難しい。毎日一緒にいるからこそ、「言わなくても伝わるだろう」と甘えてしまうからです。
でも、家族にも“言葉が必要な瞬間”がたしかにあります。言葉にしない優しさもあるけれど、言葉にするからこそ届く思いがあるのも事実です。


素直になれた夜

お昼休みにスマホのアルバムを開くと、家族で出かけた日の写真が目に止まりました。笑っている妻と、はしゃぐ娘たち。
「やっぱり言おう」。そう決めた私は、その夜、食器を洗う妻の背中に向かって言いました。
「いつも弁当ありがとう。昨日も美味しかった」
一瞬きょとんとした妻は、すぐにふっと笑って「どうしたの、急に?」と。
「昨日、言いそびれて……。いつも助かってる」
「うん。言ってもらえるとやっぱり嬉しいよ」
それだけの会話なのに、胸の中に溜まっていた重石がスルリとほどけていくのを感じました。

子どもは親の言葉を見ている

その後、次女が何気なく聞きました。「パパ、ママにありがとう言った?」
ドキッとする一言。子どもは親の言葉をよく見ています。
「ありがとう」を言える大人になってほしいなら、まずは親がその背中を見せること。
その夜から、我が家では“感謝の声かけ”が少しずつ増えました。
「お皿洗ってくれてありがとう」「宿題がんばったね」「お仕事おつかれさま」。
小さな往復が、家の空気をやわらかくしていきました。


言い訳をやめるための、ちいさな仕組み

「恥ずかしい」「タイミングがない」——言えない理由はいつだって用意できます。だからこそ、言い訳の手前で“言える仕組み”を置いておくのがコツでした。

1)合図を家に置く

  • 冷蔵庫に小さなメモ:「気づいたら“ありがとう”」
  • スマホのアラーム名を「まず一言」などにして、帰宅前に鳴らす

2)文のテンプレを決める

疲れているときは言葉を選ぶ気力が残っていません。そこで、
いつもありがとう。今日も助かったよ
という“固定フレーズ”を一つだけ持つことにしました。迷わず出せると、ハードルがぐっと下がります。

3)行動で先に示す

言葉が出づらい日は、先に行動するのもあり。
ゴミ出しを済ませてから「出しといたよ。いつもまとめてくれてありがとう」。
行動とセットにすると、言葉が自然に続きます。

4)子ども巻き込み作戦

「ママのいいところを一個言ってみようゲーム」を夕食後に実施。
子どもが先に言ってくれると、親も追いかけやすい。感謝が家族の“遊び”になると、続きます。


「ありがとう」を言えなかった日の意味

あの日、私は自分の中の“照れくささ”と向き合いました。
言えなかった過去は消えないけれど、後からでも言い直せる。
むしろ、言いそびれたからこそ、言葉を大切にしようと思えたのかもしれません。

学び:言葉は期限切れにならない

一日遅れても、三日遅れても、「ありがとう」は届きます。
遅れた分の気まずさは、素直さで上書きできる。
そして一度言えたら、二度目はもっとラクになります。

家族の“あたりまえ”を守る言葉

「おかえり」「ただいま」「おつかれさま」「ありがとう」。
どれも短いのに、一日をやさしく締めくくる言葉です。
忙しさに追われる日こそ、口に出していきたい。
それが、父として、夫として、私が守りたい“あたりまえ”です。


今日から始めるミニ習慣(チェックリスト)

帰宅〜就寝までの3アクション

  1. 玄関で一言:ドアを閉める前に「ただいま、今日もありがとう」を声に出す
  2. 夕食後に一言:食卓を片づけながら「美味しかった!」
  3. 寝る前に一言:子どもへ「今日のココよかったね」、妻へ「今日も助かったよ」

言いそびれた日の“リカバリー”

  • メモやLINEでOK:「昨日言いそびれたけど、ありがとう」
  • 行動でプラス1:洗濯物を畳む、明日の準備を先回り
  • 次に言う日を決める:帰宅直後 or 食後に固定

おわりに——小さな勇気が家の空気を変える

「ありがとう」を言えなかった夜を、私は忘れません。
でも、あの夜があったからこそ、いま我が家には“感謝が行き交う時間”が増えました。
言葉は、家族の空気をやわらかくするスイッチ。
少しの勇気で押してしまえば、部屋の温度が一度上がる。そんな感覚です。
もしあなたにも言いそびれている一言があるなら、今日、帰ってすぐに言ってみませんか。
その「ありがとう」は、きっと自分にも帰ってきます。

まとめ:今日の“ひと声”で、明日の関係がやさしくなる。

言い訳の前に、まず一言。——「ありがとう」。

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